「能楽」と呼ぶ場合には、式三番(しきさんばん)、能、狂言(本狂言)の三種を総称する。いずれも能役者もしくは能楽師、狂言師によって演じられる伝統的な演劇であるが、戯曲、演劇技法、出演者の区分等において細かな区別がある。 「能」という語は(1)広義に用いる場合は能楽と同義であり、(2)狭義に用いる場合には式三番および能を指す。 歴史的には中世以来長らく「猿楽(さるがく)」、「申楽(さるがく)」、「猿(申)楽の能」などの名称をもってせられたが、明治期に「能楽」と改められ、現在ではこれが一般的である。 以下、(2)能(狭義の能楽)について述べる。
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能は、俳優(「シテ」)の歌舞を中心に、伴奏である地謡(じうたい)や囃子(はやし)などを伴って構成された音楽劇であり、仮面(能面)を使用する点にも特徴がある。その演劇的要素は、舞(まい)、謡(うたい)、囃子(はやし)から成る。このうち舞と謡を担当し、実際に演技を行うのがシテ方、ワキ方および狂言方であり、伴奏音楽を担当するのが囃子方(笛方、小鼓方、大鼓方、太鼓方)である。地謡および舞台進行の管理(通常「後見」と呼ばれる役にあるものが行う)はシテ方の責任である。